自由な動きを感じる(平成16年のセミナー感想文)
関師範のセミナーに参加して
関昭二本部指導部師範は十月二十五日から十一月一日まで、ロシアで指導を行ったが、同師範のセミナーに参加した会員から次のような感想文が寄せられた。
自由な動きを感じる
(こいのぼ道場 カルポヴァ・マリーナ)
「セミナー」という形式の稽古は、様々な道場の様々な会員が限られた空間の中で、それぞれが持つ精神性と稽古方法を混合させるという点で普段の稽古とは異なると感じます。セミナーでは、全く知らない相手と組んで稽古することに慣れ、かつ安全に稽古できるように気を配らなければなりません。指導者が何を表現し、何を教えようとしているのかを学び取る必要があります。そうした努力によって私達の理解力が研ぎ澄まされるのです。
今回、セミナーも中盤に差し掛かった時、私は今まで自分が見逃していたと思われる幾つかの細かい点を習得しようとしていることに気付きました。しかしそれらはかつて何度も見る機会があったものでした。恐らく普段の稽古での「慣れ」が理解力を鈍らせていたのだと思います。
私にとって今回のセミナーで最も重要だったのは、関師範のとても自然で自由な動きを感じる機会を得たことでした。その日私は家路につきながらその感覚を逃さず憶えなければならないと思いました。たとえ私の体がその動きを忘れたとしても心はその感覚を生涯忘れることはないでしょう。有難い収穫でした。
「合気道新聞」平成16年12月10日より