関師範の合気道講習会(平成14年のセミナー感想文)

関師範の合気道講習会(平成14年のセミナー感想文)

関師範の合気道講習会

関昭二本部指導部師範は十月十三日から二十一日までロシアで開かれた合気道講習会で指導した。以下は鯉幟道場のダグラス・マーシャル氏(米大使館勤務)から寄せられた感想文の要旨である。

(ロシア鯉幟道場 D・マーシャル)

関先生の講習会の前数日は期待感に胸が膨らみ、前夜は寝付かれなかったほどだ。こうした講習会は、私にさまざまな壁を乗り越える機会を与えてくれた。

講習会の初日、私はいつもより十五分も早く仕事を切り上げたのだが、交通渋滞のため二、三分遅刻してしまった。関先生の稽古に出るのも二度目なのに気持ちは高ぶっていた。

私の気持ちは、マリナ・カルポヴァ先生、また日頃稽古をしている人々の顔を見てすぐさま収まり、何だか家にいるような安堵感を覚えた。そして、関先生を見るにいたって、心が静まった。たぶん関先生は私のことを覚えてはいないと思う。でも、顔を合わせると自然にお辞儀ができた。関先生は笑顔で答礼した。この簡単なしぐさの中に、心のこもった国を超えて万人に通じる何かを感じた。

関先生は、初心者にもその技の勘所が判るように技を止め、分解して示してくださる。時には日本語で短い解説を加えることもあり、すぐさまそれをマリナ先生がロシア語に訳す。

正しい形を示すときの先生の優美で爽やかな動き。受けがまさに攻撃に移ろうとする時の確かな間合い。受けとの調和……。

先生は一対一であらゆる姿形をした稽古人と向き合って稽古をつけなければならないわけだ。私の印象では、それら様々な参加者たちは、自分の進歩のために必要なものを、受け取ったことと思う。

講習会は終わったが、私の感銘はまだ尾を引いている。緊張の一週間だった。

「合気道新聞」平成14年11月10日より

admin

Comments are closed.